給与借用書とは
会社の都合により、従業員に適時満額の給与を支給できず、その代わりに給与借用書を発行することがあります。
その際、従業員は給与借用書をもって、会社に給与の支給を求めることに加え、その金額と超過期間に応じた利息の支払いを求める労働争議が起こることがあります。
利息の支払いに関する上海市高級人民法院の指導意見
① 従業員が給与借用書をもって会社を起訴し、労働報酬の支給を求める場合、労働争議ではなく、 一般民事訴訟として受理する。
② 利息の支給要否は、給与借用書の約定に従うが、会社が約定に反して期限内に労働報酬を支給し ない場合、従業員は延滞利息の支給を求めることができる。
指導意見に対する同法院の解釈
① 最高人民法院の『労働争議案件審理の適用法律に関する若干問題の解釈(2)』第3条では、「労 働者が雇用単位発行の給与借用書をもって直接人民法院に起訴する場合、訴訟要求が労働関係その他争議に関係ない場合、労働報酬遅配争議と見なし、一般民事紛争とする」と規定している。
② 会社が労働報酬を遅配する行為の法律関係は、労働争議をベースとするが、会社がその事実を認 め、且つ給与借用書を発行する場合、労働法律関係は一般の民事借金紛争に転換する。
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