同一労働・同一報酬原則とは
賃金を支給するとき、同様の労働を提供する従業員に対して、同様の賃金を支払う必要があります(同一労働・同一報酬原則。労働法46条)。派遣社員も同様であり、正社員と同様の労働を行っている場合、同一報酬を支給しなければなりません(労働契約法63条)。
同じ職位にあたり同じ業務内容に従事している場合、必ず同じ報酬を与えるのか
同一労働・同一報酬の認定にあたり、実務上、以下の3つの判断基準があります。
- 従業員の職位、業務内容が同じであること
- 同じ職位で、他の従業員と同じ作業量を完成していること
- 同じ作業量で同じ業績を収めていること
従業員の能力には当然それぞれ個人差が存在し、同じ職位で同じ業務内容に従事しているからというだけで、必ずしも企業が同じ報酬を与えなければならないという意味ではありません。他の従業員と同じ作業量を行っているか、また同じ勤務時間内に同じ業績を収めているかどうか、これらの要素を総合的に判断する必要があります。この場合、従業員の勤続の年数、経験、技能、態度などが賃金差をつける合理的な理由になると考えられています。
同一労働・同一報酬に関わる紛争が発生した場合、企業が賃金差をつけた理由を証明しなければならないため、この種の紛争を避けるためには、日ごろから従業員の個人差(勤続の年数、経験、技能、態度など)に関わる証拠を収取しておく必要があります。 |