事例：

　あなたの会社が生産した計算機に誤差が生じるとして、消費者からクレームを受けました。なお、会社側としては消費者に指摘された問題は存在しないと考えています。

解説ポイント：

1. 中国では消費者保護が非常に重視されており、品質問題に対するクレームが迅速且つ適切に対応できなかった場合には、マスコミに大きく取り上げられ、企業のイメージダウンにつながる可能性があります。 
   
   
2. 何よりも製品の品質管理の徹底が重要です。自社で製造する場合はもとより、外部に製造を委託する場合、委託先における品質管理にも留意する必要があります。委託先の製品に有害物質が含まれていたような場合に、委託先との取引契約を解除したとしても、委託先が製品を他に販売してしまうおそれもあり、これによる被害者が自社を訴えてくる可能性もないとはいえません。製品や包装に自社の社名・ブランドなどが印刷されていればなおさらです。 
   
   
3. 対消費者紛争の原因と消費者の心理を分析したうえで、弁護士やその他専門家の意見をもとに、クレームの初期段階のうちに冷静かつ迅速に対応する必要があります。
   
   
4. 必要に応じ、消費者協会及び政府関連部門に報告して事実関係を正確に理解してもらい、連携をとりながら解決策を探ることも有効です。 
   
   
5. 製品を販売する場合には、あらかじめ製品の社内検証を行うことはもちろん、関連製品に関する中国の公認鑑定機関があれば、それも利用して、品質上問題ないことを証明できる体制にしておくことが重要です。 
   
   
6. 訴訟になった場合には、適任の弁護士を起用した上で、証拠を準備して期限内に訴訟関連書類を提起することが重要になります。