従業員との労働契約を解除する場合、従業員に未消化の年次有給休暇が残っていないかを確認しなければなりません。具体的な確認方法は以下の通りですが、計算後、丸1日に満たない時間分については、企業による未消化年次有給休暇報酬の支給が免除されます。
(当該年度の自社におけるカレンダー日数-日数÷365日数)×従業員本人が年間取得すべき年次有給休暇日数-当該年度に既に消化した年次有給休暇日数
例:
累計勤続年数が2年の従業員を3月31日に労働契約を解除する場合、従業員がすでに1日の有給休暇を消化していれば、この従業員の未消化年次有給休暇日数は0.23日であり、([90日÷365日]×5日-1日=0.23日)、すでにこれは消化していることから、未消化の年次有給休暇日数はゼロとなります。
未消化の年次有給休暇が残っている場合
従業員に未消化の年次有給休暇が残っている場合、以下の2つの対応策が考えられます。
- 残存日に応じて労働契約解除日を繰り下げる
例えば、未消化の年次有給休暇が3日間残っている従業員の場合、即日ではなく、少なくとも4日後に労働契約を解除して、その間に未消化年次有給休暇を消化させます。これにより、未消化の年次有給休暇を企業が買い取る必要がなくなります。
- 未消化の年次有給休暇を買い取る
未消化年次有給休暇を消化させないまま、これを企業が買い取る形で従業員に3倍賃金を支給する方法が考えられます。実務上、特に解雇の場合、企業としては一日も早く退職させたいケースが多いため、この方法がよく利用されています。
多めに取得した場合
従業員が取得した年次有給休暇が換算後の取得すべき年次有給休暇日数より多かった場合、従業員からこれを取り戻すことはできず、その賃金を控除することもできません。
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