会社規則の制定プロセス
会社規則等、労働者の切実な利益に直接関わる重大事項を制定、修正、決定する場合に経るべきプロセスが『労働契約法』第四条に規定されています。そのポイントをまとめると以下の通りです。
(1) 民主的協議:
会社規則の制定(改訂を含む)において、最終決定権は会社側にあると解されますが、会社側の一方的意思により会社規則を制定するのではなく、従業員側の意見を聴取しそれを踏まえて協議するという民主的過程を経てこれを制定すべきです。
(2) 書面記録:
労働仲裁等において、会社規則を会社側対応の正当性を証明する為の「拠り所」として 有効にする為には、民主的協議を経たことの証跡を書面記録に残しておくことが重要となります。
(3) 公示または告知:
制定完了後の会社規則は、全従業員に対し公示又は告知しなければなりません。 その手段としては、諸規則上に各人の署名を取り付ける、主要事項を取り纏めたハンドブックを全員に配布する、全社員が閲覧可能なサーバー内に保存する(保存場所を全員に告知する)等の方法が考えられます。
法的依拠
『労働契約法』第四条
---(前略)---
雇用単位が、労働報酬、労働時間、休息休暇、労働安全衛生、保険福利、研修教育、労働紀律及び労働定量管理等の直接労働者の切実な利益に関する規則制度又は重大事項を制定、修正又は決定する場合、従業員代表大会又は全従業員と討議して、提案及び意見を提出し、労働組合又は従業員代表と平等協議して決定しなければならない。
---(中略)---
雇用単位は労働者の切実な利益に関連する規則制度及び重大事項の決定を、労働者に公示、又は告知しなければならない。 |