中国の法令では、
- 受託者は、委託者の名義で契約を締結する中国民法通則に規定した直接代理
- 受託者は自己の名義で契約を締結するいわゆる間接代理
の2種類の代理があります。
直接代理の場合は、権利義務の当事者は委託者になりますが、間接代理の場合は、その権利義務は受託者または委託者のいずれかになるか、状況によって異なります。貿易会社が取引先からの授権した範囲内で自らの名義により外国企業と売買契約を締結し、外国企業が貿易会社・取引先間の代理関係を知っていたのであれば、当該売買契約は直接外国企業と取引先を拘束するものになります。
一方、外国企業が貿易会社と売買契約を締結する時点において、貿易会社・取引先間の代理関係を知らなかったとしても、貿易会社が取引先に起因する事由によって外国企業に対して義務を履行しない場合は、貿易会社は外国企業に対して取引先の存在を開示しなければならないこととされています。その結果、外国企業は、貿易会社または取引先のいずれか一方を自らの権利を主張する相手方として選択することができます。ただし、選択後は変更することができません。 |