貨物の輸入に際しては、輸入者による税関への申告手続が必要です。名称や型番、原産地などを正しく申告しなければならないことはいうまでもありませんが、貨物を正確に分類したうえで該当するHSコードを確定し、適用される関税や輸入増値税を納付することが義務付けられています。税率の低いHSコードを当てはめたと判断された場合(意図したものでなくても)、当局から脱税したものとみなされ、密輸の嫌疑をかけられる恐れがあります。
貨物の輸入を代理人などに任せている場合であって、その代理人が輸入の過程で脱税や密輸をを行った場合には、その貨物を購入した者も利益を得たとして、当局から追及を受ける恐れがあります。その場合、その代理人だけでなく、貨物の購入者も刑事責任を問われることもありますので、細心の注意が必要です。
密輸犯罪事件については、税関の中の専門組織によって捜査が実施されます。この組織は、税関に設置されているものの、指揮命令系統としては警察に属する組織で、捜査のほかに被疑者の拘留や逮捕などを執行する権限も有しています。その組織は全国の主な税関に設置されており、最近、一部の地方では、密輸犯罪として立件されるケースも少なからず見受けられます。会社や個人にいったん密輸の嫌疑がかけられると、大変厳しい捜査を受けることになりますので、十分注意が必要です。 |