これまで、奨励類に該当する投資プロジェクト等においては、当局へ申請することにより、関税と輸入増値税を免税扱いとしたうえで生産設備を輸入することができました。中国の増値税の改定により、2009年1月から、輸入設備について外商投資企業が得られる輸入増値税の免除優遇措置は廃止され、関税の免除のみとなりました。この生産設備は、あくまで自社での使用を条件として免除での輸入が認められるというものであり、輸入してから5年間は税関に無断で移動させることができません。この間、他の会社へ売却したり協力会社に貸与したりする場合は、事前に税関への認可申請と納税が必要となります。
外国からの委託を受けて加工を行う、いわゆる加工貿易企業が部材の提供を受けるような場合は、輸入される部材に本来課される関税や輸入増値税を保税とするための手続ととるのが一般的です。この保税輸入部材も、関税の管理監督下に置かれるものであり、自社での使用しか認められていません。つまり、加工後完成品として輸入されるまでの間、税関に無断で移動させることは認められておらず、例えば、許可を得ずして再委託のために外注先へ供給するようなことはできません。この外注先への再委託については、事前に税関の認可の取得すれば実施することができますが、その場合でも、
- 主要な工程を再委託してはならない、
- 保税輸入部材を販売してはならない、
- 再委託先がさらに別の会社に再委託してはならない、
などの制限があります。 事例:税関とトラブルを起こさないようにするには
また、保税輸入部材を用いて加工された製品は、原則として全数輸出しなければならず、保税輸入部材はもちろんのこと、それを用いて加工された製品についても、中国国内で販売することは認められていません。特別な事情によりその一部を国内で販売する必要が生じた場合には、事前に商務部門へ申請(国内販売権の取得も必要)したうえうで、税関に対して認可申請と納税手続をとらなければなりません。 |