従業員と2回連続して固定期間労働契約を締結すると、企業は当該従業員と無固定期間労働契約(終身雇用)を締結しなければなりません。
勤務連続性の阻止方法は違法
無固定期間労働契約の締結を避けたいために、企業があの手この手で、勤務の「連続」性を阻止する行為も行われています。従業員をいったん離職させたのちに復帰させる方法と従業員をいったん関連企業または派遣会社と労働契約を締結させた後、再度雇用する方法も行われています。これらの方法は、労働契約法に定める無固定期間労働契約の締結義務を悪意的に回避するためのものとして、違法と認定される可能性が高いとされています。
労働契約の内容の交渉による対応策
2回連続して固定期間労働契約を締結した後、従業員が希望すれば、企業は従業員と無固定期間労働契約を締結しなければなりません。これにより、新しい労働契約の勤務期間は無固定期間となりますが、賃金、勤務場所、勤務内容等の内容について、企業が当該従業員の能力及び企業の業務展開状況などを勘案し、当該従業員と再度協議し決定する権限を持っています。
つまり、企業には従業員の不合理な要求に対して拒否する権利があり、賃金、勤務場所、勤務内容等の内容について合意に至らない場合、無固定期間労働契約を締結する必要はありません。
従業員の希望による固定期間労働契約の締結
企業が2回連続して固定期間労働契約を締結した後、従業員が必ず無固定期間労働契約を締結しなければならない、ということはありません。従業員が固定期間労働契約の締結を求めれば、固定期間労働契約を締結することも当然認められます。
このため、2回連続して固定期間労働契約を締結した後、従業員に標準の賃金引上基準より優遇する賃金引き上率などを提示し、その条件として従業員から固定期間労働契約の締結を申し入れてもらえれば、無固定期間労働の締結を回避することができます。 |