企業は競業避止期間中にある従業員に対して、月ごとに経済補償を支給しなければなりません。この経済補償は、従業員退職後に毎月支払う必要があり、企業の勤務期間中に従業員に支払う賃金の中に経済補償が含まれていたとの主張は無効になります。
上海市では、従業員の賃金の20~50%の範囲内で経済補償の支給を求められています。
経済補償未支給時の責任
実務上、企業の従業員への経済補償の未払いによる紛争が、多発しています。企業が退職した従業員に競業避止義務を負わない旨を明確に告知せず、従業員が競業避止協議書に従い競争関係のない企業に就職した場合、前企業に経済補償の実施を求める主張がみとめられています。
また、企業が経済補償を行わない場合、従業員は競業避止協議書の制限を受けず、企業の競争相手に就職することが認められ、きぎょうは従業員の違約責任を追及することができません。
このような事態の防止策として、企業は従業員の採用時に、従業員全員に競業避止義務を負わせ、従業員離職時に、個々の従業員の状況に応じて、競業避止義務を終了するか否か(即ち経済補償を行わないこと)を判断できる旨を労働契約の盛り込んだ労働契約を締結し、従業員が実際に離職する際に、競業避止義務を負わせる必要のない者には、競業避止義務終了通知を発行し、経済補償の有無を従業員に対して明確にしておく対策が必要です。 |