従業員を新しく採用するにあたり、非全日制労働者を採用する場合を除き、必ず書面にて労働契約を締結しなければなりません。これを怠ると、従業員が労働関係が確立した日から2か月目に入った日から2倍の賃金を支払う必要が生じ、また労働関係が確立してから1年が経過してしまうと、企業が従業員と無固定期間労働契約を締結したとみなされてしまいます(労働契約法82条、14条)この点について、通常、採用時に書面による労働契約を締結しない日本よ中国の方がより厳格な規定であるといえます。
1994年から施行されている労働法では、企業に労働契約の締結を義務付けてはいましたが、これに違反する企業に対する罰則がありませんでした。このため、労働契約を締結しない事例が頻発し、労働紛争においても労働者の権利保護に不利益が生じるケースが後を絶ちませんでした。2008年1月1日より施行の労働契約法では、このような労働契約の不締結を根絶することを目的に、違反した企業には前述の重い罰則が科せられるようになりました。
試用期間内であることを理由に労働契約を締結せず、試用期間満了後に初めて労働契約を締結する企業が実務ではよく見受けられますが、これも処罰の対象となるため、注意が必要です。 |