労働契約法実施条例4条は、「中国国内の企業の分公司(日本語の支社に該当)は、法に基づき、営業許可証又は登記証書を取得した場合、雇用主として従業員と労働契約を締結することができる」と規定しています。このため、営業許可証を取得した分公司も、従業員と直接労働関係を締結し、採用することが認められます。
総公司が分公司の従業員と労働契約締結する場合の留意点
実務上、総公司(日本語の本社の該当)は一括して分公司の従業員と労働契約を締結することがよく見受けられます。この場合、労働契約自体には問題がありませんが、下記に掲げるいくつかの留意点が出るわけです。
1、社会保険の納付方法について
原則的に、社会保険料は、総公司所在地の社会保険取扱機構に納付し、分公司の当該従業員は総会社所在地の社会保険取扱機構から社会保険待遇を享受します。
例えば、総公司は上海、分公司は広州にある場合、総公司は上海の社会保険取扱機構に社会保険料を納付すべきのため、当該従業員は上海の社会保険取扱機構から社会保険待遇を享受することになります。しかし、本来当該従業員は広州にいるため、医療費用の清算、養老保険享受に不便があります。
2、従業員の労働条件の確保について
労働契約法実施条例14条により、従業員の最低賃金基準、労働保護、労働条件、職業危害防止などの事項については、分公司所在地の関係規定に従う、と定めています。 |