新型コロナウィルス拡大防止に注力するため、そして企業の負担を軽減し、企業の安定した業務遂行を支援するため、 中国政府及び各地方政府はそれぞれ一連の支援策を発表しました。
企業の防疫関連の行動を、全力を挙げて支援する
- 防疫用関連物資の生産企業が生産能力を高めるため新たに設備を購入した場合、購入資金を所得 税の納付前に一括にて控除することを許可し、増値税の増分控除税額を全額返却する。
納税者が防疫用重要物資の運送サービス、公共に関する交通輸送サービスと生活サービス、及び 一般市民の生活必需品の宅配サービス(集荷と配送のいずれも)を提供することで得る収入に対 して、増値税の徴収を免除する。
関連する防疫用薬品及び医療機器の登録費を免除する。
政府が応急のため徴用し、政府指示のもと重要な防疫用物資を生産する企業に対して、生産コス トが実際の販売価格よりも高い場合、その政策による赤字損失は市の財政によって全額補填する。
重要な防疫用物資に関して、企業が既に輸出の契約を結んでいるにも関わらず、政府の徴用によ って国内販売に転じた場合、企業はそれに伴う追加の税金負担をしないこととする。
- 重要な防疫用医療物資や生活必需品の生産、運送及び販売を行う重点企業(小規模企業を含む) に対して、優遇的な利子率による貸付を提供し、さらに財政が利子の半分を補助し、企業が負担 する利子率が1.6%以下となるよう確実に保証する。
- 政府が応急のため徴用した企業に対して、技術改造手当てを支給し、徴用された企業が防疫用物 資生産のために応急的に実施した技術改造等について、後日の認定によりプロジェクト費用総額 の50~80%を財政から補填する。
徴用された企業が政府指定の防疫用物資を生産するために費やした生産能力拡大費用について、 最高でその全額に該当する支援を受けることが可能である。
- 防疫用に寄付された輸入物資に対し、輸入関税及び輸入過程で発生する増値税並びに消費税を免 除する。
市衛生健康主管部門が主体となって輸入を手配し、直接的に防疫に用いられる物資に関しては関 税を免除し、既に徴収された免除すべき税金は返却する。
- 輸入される防疫用物資の専用受理窓口及びグリーン通路を開設、主要な通関港において7日×24 時間のフルタイム通関体制をとる。
免税を受ける輸入品防疫用物資に関しては、登記のみで受け渡し、後日関連証明を提出すること も可能である。
各種企業の負担を確実に軽減する
- 中小企業が上海市所有の国有企業の経営的不動産(各種開発区及び産業園区、創業基地並びに科 学技術企業孵化器など)を賃借している場合、まずは 2 月と 3 月の月間賃借料を免除する。
- 疫業事態の影響により期限通りに税金を納めることが困難な場合、納税延期の諸条件に適してい れば、法に従って最大でも3ヶ月を超えない納付延期を許可する。
- 防疫期間中において、不動産または土地が応急のため政府に徴用された企業に対して、不動産税 及び城鎮土地使用税の納付が確かに困難である場合、該当する不動産税及び城鎮土地使用税の減 免を申請することができる。
疫病事態の影響を強く受け、窮地に立たされた業種の企業について、2020年度の赤字損失の最 大繰越年限を5年間から8年間まで延長する。
防疫のために現金及び物資を寄付した場合、規定により所得税前に全額控除することができる。 関連する寄付の品物は増値税、消費税及び付加税費を免除する。
防疫関連業務に参加した医療関係者及び一般協力者が政府規定の基準に沿って支給された手当 てとボーナス、並びに組織から個人に配布された防疫に必要な防護品については、個人所得税を 免除する。
多様な金融手法にて企業の窮地からの脱出を手助けする
- 疫病事態の影響を強く受けた業種及び中小零細企業への信用貸しの拡大化を促し、防疫期間中に おいて、関連信用貸しの利子率は同期貸付市場の最優遇利子率(LPR)を最低限でも25bp下回る ことを要求する。
- 旅行、ホテル、飲食、卸販売、小売、交通運輸、倉庫管理及び物流、文化娯楽、会議展示など、 疫病事態の影響を大きく受けた業種に対して貸付による支援を拡大し、返済計画の変更や、返済 期限の延長、元金返済がなくても貸付の継続などの手法をとり、期日までに返済が困難な企業を 支援する。
- 中小零細企業ローンを新規申請する場合、融資担保費率を年間あたり0.5%まで引き下げ、再担 保比率も半減して徴収、起業担保ローンに関しては引き続き担保費用を免除する。
企業を支援し安定雇用に確実に取り組む
- 2020年度においても、上海市は引き続き、リストラをしない、またはリストラが少ない、一定 条件を満たした雇用組織に対して、その組織及び従業員が前年度中に実際納めた失業保険料総額 の 50%を還付する。
- 2020年から、上海市従業員社会保険納付年度(従業員医療保険年度を含む)を本年7月1日から翌年6月30日までとし、3ヶ月の延期とする(2019年従業員社会保険納付年度は2020年7月1日まで順延)。
- 疫病事態の影響を受けた上海市の各種企業に対して、稼動休止期間中に従業員(企業に勤務する 派遣型従業員を含む)を取りまとめてオンラインによる職業訓練に参加させた場合、それぞれの区にある教育付加専用資金による企業従業員研修助成金の適用範囲に納め、実質研修費用の95%にあたる助成金を受領できる。
- 医療保険基金の収支状況により、保険加入者の医療保険待遇水準が下がらず、また医療保険制度 の安定運営を前提に、2020年度の従業員医療保険において、暫定的に組織の納付料率を0.5%引 き下げる。
順序よく企業の再稼動と生産開始を促進する
- 揚子江デルタエリアの提携体制を基盤に、業種協会や産業連盟などの専門機構の役割を発揮し、 原材料の供給や物流運輸など、多様性に富んだ方法によって企業と企業の連携を強め、確実に企 業の再稼動または生産開始の手助けをする。
- EC、オンライン教育、オンラインオフィス業務、デジタルエンターテイメント、デジタルライフ、AI配送などの新業態新モデルの育成を強化し、インターネット診療、オリジナル新薬、医療用 品、医療機器など健康産業の発展を推進し、成長スピードが速い一部の創新型中小企業に注目し 支援する。
通信運営企業に対して、疫病事態の影響をひどく受けた中小企業を対象に、6ヶ月以上の無料ク ラウドテレビ会議など、クラウドオフィス業務を提供することを支持する。
企業に対するサービス及びビジネス環境の最適化を図る
- 国際貿易「単一窓口」オフィシャルサイトにて中小貿易企業の専用サービスリンクを設け、防疫 期間中において実際に接触することなく、通関、物流、金融などの一連とした輸出入業務の処理 を完結する。
- 疫病事態の影響により不信行為が生じた企業のため、信用回復業務を展開する。
疫病事態の影響 で収入源を一時的に失った企業に対して、未然の返済予定を調整し、調整後の状況を信用記録に残すこととする。
防疫関連業務に加わったことで企業に納品の遅延やローン返済の延期、契約期間の違反などのよ うな不信行為があった場合、それが原因で不信リストに掲載することはしない。
疫業事態の影響で期日通りに履行できないまたは契約そのものが履行できなくなる国際貿易関 連の企業に対して、上海市貿易促進会が不可抗力事項証明を発行する。
注:
(1)国家がその他のサービス措置を発表した場合、上海市はそれに準じて執行する。
(2)各区政府は実情に応じて、具体的な実施弁法を打ち出す。市級の政策と重なる場合は、最善の政策に 基づき執行する。
(3)本政策措置は公表の日を以って施行し、有効期限は新型コロナウィルスによる肺炎の疫病事態が収束 した後の3ヶ月までとする(具体的な政策措置において明確に執行期限を定めている場合は、それに 従う)。
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