「企業労働争議協議調停規定」が2011年11月30日、公布され、2012年1月1日より施行されました。
「規定」の抜粋
(1) 企業内部に「労使双方の意思疎通・対話システムを構築し、労働者の利益要求を滞りなく伝えるチャンネルを整備しなければならない」(第4条)と規定しています。
(2) 企業内部での労働争議調停機能のネットワーク化。
「大中型企業は、法に依って調停委員会を設立し、かつ専従者或いは兼務者を配置しなければならない。」(第13条)と規定し、分公司、分店、分工場を持つ企業は、必要に応じて分支機構に調停委員会を設立し、更に調停委員会は、必要に応じて生産現場、生産過程によって細分した職場(中国語で"工段")、作業班毎にそれぞれ調停チームを設置することができる、としています。また、「零細企業は、調停委員会を設立することができ、労働者と企業が共同でメンバーを選出して調停業務に当たらせることもできる。」(第14条)としています。
(3) 労働争議調停委員会は、労働者の代表と企業の代表とで構成し、人数は双方が話し合いで確定するが、双方の人数は同数しなければならず、労働者の代表は工会委員会のメンバーが担当するか、或いは全労働者の推薦で選ばれ、企業の代表は企業の責任者が指定します。調停委員会の主任は、工会委員会のメンバー或いは双方が推薦した者が担当する旨規定しています(第15条)。
(4) 労働争議の調停協議における仲裁審査確認制度の構築。
当事者の権益を有効に守り、調停組織の社会的信用力を高め、当事者に調停方式による争議解決を選択させるため、当事者双方は、調停協議書発効日より15日以内に双方共同で仲裁委員会へ仲裁審査申請を提出することができ、仲裁委員会は受理後、調停協議に対して審査を行い、「労働人事争議仲裁案件処理規則」第54条の規定に基づき、手順と内容が合法で有効な調停協議については、調停書を発行します(第 27 条)。
(5) このほかに、調停協議を仲裁裁決の根拠とすることを明確にしています。
当事者双方が仲裁審査を申請せず当事者の一方が約定された期限内に調停協議を履行しなかった場合、他の一方は仲裁を申し立てることができ、労働人事争議仲裁委員会は、調停協議を審査した結果、当該調停協議が合法、且つ公共の利益或いは第三者の合法的な利益を損なわず、新たな証拠がない限り、当該調停協議に基づいて仲裁裁決を行うことができます(第28条)。 |