試用期間中の給与
『労働契約法』第20条では、従業員の試用期間中の給与は所属会社の同一職位の最低ランク給与又は労働契約が約定する給与の80%を下回ってはならず、且つ会社所在地の最低給与基準を下回ってはならないと規定されています。
注意事項:
① 試用期間中の給与は、同一職位の最低ランクと約定給与の80%のいずれかを上回れば問題ありませ んが、「同一職位の最低ランク」については、厳密な職位定義や職務記述書をベースにしなければならないため、その特定が難しく、労働契約書で本採用時の給与額とその金額の80%以上の金額を試用期間中の給与とするのが実務的です。
② 試用期間は労働契約期間に含まれますので、試用期間中の約定給与の納付基数として社会保険を納 付しなければなりません。
試用期間中の解雇
『労働契約法』第21条によると、試用期間中、従業員の採用条件不合格や重大な規則違反などの状況(『労働契約法』第39条)及び病気と業務不適任の状況(『労働契約法』第40条第1、2項)にある場合を除き、会社は労働契約を解除する事はできません。会社が試用期間中に労働契約を解除する場合、労働者に対して理由を説明しなければなりません。
注意事項:
① 上記の通り、試用期間中であっても会社は正当な理由無くして解雇してはならず、正当な理由で解 雇の場合でも、理由を説明する必要があります。説明は口頭でも可能ですが、起こりうる労働争議に備えて書面で残すことが望ましいと思われます。
② 採用条件不合格や業務不適任を理由で解雇する場合、会社は書面を採用条件や会社諸規則の一部と しての試用期間評価制度を事前に作成して置く必要があります。
③ 採用条件不合格を含め正当な理由で解雇する場合は、経済補償は不要ですが、試用期間中でも協議一致による労働契約解除を妨げませんので、この場合は、経済補償を支払う必要があります。
④ 試用期間中の解雇について事前通知は不要ですが、解雇手続きは試用期間満了の数日前に完了する ことが望ましく、試用期間が過ぎたら本採用と見なされますので、試用期間の満了日には特に注意を払う必要があります。 |