Zビザと中国現地法人での就労
「出入国管理法」第41条には「外国人が中国国内で働く場合、規定に基づき就労許可及び業務類の居留証明を取得しなければならない。如何なる単位或いは個人も、就労許可や業務類の居留証明を取得していない外国人を採用してはならない。外国人の中国国内における就労の管理弁法は国務院が規定する。」と規定されています。
すなわち中国において現地法人に就職して(日本からの出向も含む)業務を行う外国人は、就労許可(労働部門が発行する外国人就業証)と就業居留許可(Zビザと言われる就業ビザ)を取得すべきであるという事です。
ここで言う就労という意味は、中国内の中国法人において、「社員として働く」ことを意味しており、外国人が現地企業に就職する場合と、外資系企業で外国の出資者から派遣されて出向社員として現地法人で働く場合がありますが、いずれも中国において就労していますので、必ず就業証、Zビザを取得しなければなりません。これらの場合は、個人所得税や社会保険の源泉徴収納付義務が自動的に発生します。
中国企業へ就職する場合は、「労働契約法」によって、全日制勤務従業員であれば必ず会社と「労働契約書」を締結することが必須ですが、その契約期間は3ヶ月、半年、1年、2年と任意です。
Fビザと中国への業務出張
中国で働くという意味では、社員としての籍は外国の企業にあるが、会社の業務命令により現地の企業に来て、両企業間の契約に基づいて、技術指導や応援業務などに従事する外国人もいます。
これらは法律上の就労ではなく、あくまで中国と日本の企業間契約に基づいて業務として中国に来て仕事している外国人であり、個人が現地企業と労働契約を締結した就労ではありませんので、就業証やZビザの手続きはできず、あくまで業務ビザ(Fビザ)で中国において任務を遂行することになります。
すなわち、中国における現地企業と仕事する本人との労働契約書の有り無しが、分かれ目になると言えます。
ただし、日中双方の会社契約による人員派遣については、日中租税条約に定めるPE(恒久的機構)と見做されて、別途PE課税を課される場合がありますので、注意が必要です。
|