中国の永住許可には、①投資者永住許可、②任職者永住許可、③国家特需人員永住許可、④配偶者(夫婦団欒)永住許可、⑤親子永住許可、⑥親族扶養永住許可――の6種類があります。このうち④配偶者永住許可についての申請条件、手続きフロー、手続き必要書類をご紹介致します。
配偶者永住許可の申請条件
配偶者永住許可を申請する際には、以下の条件を満たす必要があります。
① 中国人(中国国内に常住戸籍を持つ者)、あるいはすでに中国の永久居留資格を持つ外国人と結婚している。
② 結婚して5年以上である。
③ 中国で連続して居住して5年以上であり、毎年中国での居留が9ヶ月を下回らない。
④ 安定した生活保障と住所がある。
上記の条件を満たせば中国の永住許可を申請することが可能ですので、必要書類を準備して中国人配偶 者の戸籍所在地の出入境管理局に対して申請することになります。
ここでの注意事項としては、必ず配偶者の戸籍地で申請しなければならないことです。例えば、河南省鄭州市出身の男性が上海市で「暫住証」を所持して生活していても、戸籍は河南省にあるため、すべての申請手続きは河南省鄭州市にて行うことになります。
申請必要書類
関連通知によると申請必要書類は下記のリストの通りです。
但し、申請する出入境管理局によっては、すべての書類に公証が必要であるなど、要求が若干異なります。申請前に必ず、ご自身が書類を提出する窓口で最終確認をして頂く必要があります。
また、途中、書類不備などで書類が返却された場合に、無犯罪記録証明の有効期間が短いと再取得が必要となり、すべての書類を最初から取得し直さなければならないこともありますので、書類の作成や準備には細心の注意を払い、中国人配偶者より頻繁に申請窓口やホットラインでの関係問い合わせ窓口の複数ルートに対し確認されることをお勧めします。
- 申請者の無犯罪記録証明
- 申請者の申請前 6 ヶ月以内の健康証明
- 申請者と中国人配偶者(一方または双方)の経済状況証明(経済担保証明)
- 申請者と中国人配偶者(一方または双方)の不動産産権証または賃貸契約書
- 中国民政機関発行の結婚証明
- 直近に撮影した証明書用写真
- 申請者の有効なパスポート
- 申請者の有効なビザあるいは外国人居留許可
- 中国人配偶者の戸籍証明または外国人配偶者の取得済み『外国人永久居留証』
- 申請者の履歴書と永久居留申請書
- 『外国人在中国永久居留申請表(夫婦団欒人員)』
一部申請書類に関する注意事項
(1) 申請者の無犯罪記録証明
中国居住の場合、所管の日本国大使館/領事館で手続きします。訪問日時を予約して、大使館/領事館に行き、必要書類を記入し指紋採取します。その後、大使館/領事館担当者から外務省を通じて、申請者本籍地の県警(あるいは警視庁)に連絡が行き、無犯罪記録証明が発行されます。発行された 無犯罪証明は、駐日中国大使館の関係会社に送付され、中国大使館で認証の後、連絡した宛先に送られてくるようになっています。取得に必要な期間は、大使館/領事館で手続きをしてから約1ヶ月~1.5ヶ月です。無犯罪記録証明は発行から6ヶ月間有効ですが、入手できた時には、有効期限が短くなっているので要注意です。
(2) 申請者の申請前6ヶ月以内の健康証明
通常、永久居留許可申請地所管の出入境検験検疫部門で身体検査を行います。身体検査してから健康証明が発行される期間は約5稼働日が必要です。
(3) 申請者と中国人配偶者(一方または双方)の経済状況証明(経済担保証明)
経済状況証明は、資金証明とも呼ばれます。通常、預貯金がある銀行で発行してもらいます。2014 年末の時点で、この資金証明は人民元30万元以上相当の金額を要求されており、一旦、資金証明を発行した預貯金は1年間凍結され、引き出して使用することができません。(1年後に自動解除されますが、1年未満で凍結解除が必要な場合は、資金証明の原本と手続費が必要となります。)
(4) 申請者と中国人配偶者(一方または双方)の不動産産権証または賃貸契約書
購入したマンションがある場合は、その不動産産権証をコピーして提出します。中国人配偶者が所有するマンションの産権証を提出する場合や、賃貸契約書に申請者以外の名前がある場合、別途、公証処の固定書式で「申請者本人を居住させることに同意する」旨の“声明書”を作成し、公証処で公証を受けなければなりません。
(5) 申請者の履歴書と永久居留申請書
任意の書式で申請者の履歴をA4サイズで作成します。氏名(英文)、生年月日、パスポート番号のほか、学歴、職歴、生活経歴を記載します。生活経歴では、配偶者とどのように知り合って、いつどこで結婚したか、中国でどのような社会貢献活動をしたか(希望工程に複数回寄付をしたなど)を紹介します。永久居留申請書も任意の書式で作成します。提出先は、○○市公安局出入境管理処とします。
申請とその後の流れ
書類をすべて準備できたら、申請先の出入境管理処の窓口で書類を提出します。受付窓口は、市の公安局出入境管理処です。書類提出後の流れはおおよそ以下の通りです。
- 市の公安局出入境管理処での申請と承認(約3ヶ月)
※この間、管轄の公安から内容確認の電話が入ります。
- 省の公安庁出入境管理局での申請と承認(約3ヶ月)
※この間、面接があります。
- 国家公安部での書類申請(約6ヶ月)
- 公安部承認→省公安庁出入境管理局→市公安局出入境管理処へ連絡
- 最終的に市公安局出入境管理処から『中華人民共和国外国人永久居留証』が発行されます。
このように外国人永久居留証の発行には準備期間を含めて最低でも約1年半が必要です。 |