正社員の場合、企業と従業員の二者間で労働関係が確立され、企業が正社員のために賃金や社会保険料を納付します。これに対し、派遣社員を利用する場合には、労働関係は派遣会社と労働者の間で成立し、派遣会社と企業間には労務派遣関係(民事関係)、企業と労働者間には使用関係が成立するというように、派遣先企業、派遣会社、労働者の三者関係が一体となってはじめて成立するしくみとなっています。
このとき、労働関係は派遣会社と派遣社員との間に成立し、派遣会社が派遣社員に賃金や社会保険料を納付する必要があるのに対して、派遣会社と派遣先企業の間には労務派遣関係が成立し、派遣会社が派遣社員を派遣先企業に派遣し、派遣先企業は派遣企業に対して①派遣会社が派遣社員に支払う賃金・社会保険料相当額、②派遣会社の派遣業務管理費を支払います。通常、派遣会社の派遣業務管理費は派遣社員1人あたり、1か月数百人民元程度となっています。
派遣社員利用のメリット:
- 労務管理コストの軽減、
- 労働紛争の回避、
- 人材選別が可能、
- 終身雇用の延期、
- グループ企業内の調整が可能。
派遣社員利用のデメリット:
- 臨時性、補助性、代替性のある職務のみに限定、
- 雇用コストが派遣会社に転嫁される、
- 派遣の打ち切りが難しい、
- 労働者の勤務意欲にマイナス影響。
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