事業拡張に伴う資金調達のため、外商投資企業は、中国国内の銀行から外貨・人民元借入を行うことができます。ただし、外貨借入については、借入外貨の人民元転について制限があります。
外商投資企業は、中国国内において、外資系銀行または中国の地場銀行へ借入を申し込むことができますが、借入申し込みにあたっては中国人民銀行に「貸出カード」の交付を申請し、交付を受けた貸出カードを当該銀行に提出する必要があります。
銀行借入の内容:一般的な銀行借入の内容は次の通りです。
|
外貨借入 |
人民元借入 |
形式 |
証書貸付(短期・中長期) |
証書貸付(10年以内)
手形割引(6か月以内) |
通貨 |
米ドル・日本円・ユーロなどの主要通貨(借入金の人民元転は原則不可) |
人民元 |
金利 |
調達コスト+スプレッド |
中国人民銀行の基準金利に基づき決定
優遇:基準金利の90%
上限:制限なし |
返済 |
期限一括返済または分割返済 |
担保等 |
親会社保証・親会社取引銀行保証が一般的です。 |
借入の申込みに際しては資金使途を明確にする必要があります。運転資金として借り入れた資金を設備資金に流用する等、借入金の使途を変えることは禁じられています。また、借入外貨の人民元転は原則できません。人民元で外貨を購入し外貨借入を返済することはできますが、その場合、手持ち外貨から優先的に充当しなければなりません。
中国国外の親会社等の保証に基づく国内借入については、保証が履行された場合、債務者は保証履行日から15日以内に外貨管理局に赴き対外債務登記手続きを行わなければなりません。
注:保証履行金額がいわゆる「投注差」を超える場合は、外貨管理局による処分の対象となる可能性があります。 |