上海市に関しては、2010年3月、上海市商務委員会は以下の通り、「自社所有生産用建屋の賃貸」の申請条件を各区商務部門に示達しています。
申請条件
- 賃貸する自社の生産用建屋には合法的な不動産権利証明書類があり、建屋を賃借して転貸業を経営してはならないこと。
- 賃貸する自社の生産用建屋の不動産権利証は、取得して5年以上経過しており、遊休状態となる以前に生産に実際に使用したことのある建屋であること。
- 建屋の賃貸契約は、建物賃貸管理部門において届出手続きがなされること。
- 遊休状態の自社の生産用建屋の賃貸後の用途は、地元の産業政策に符合しており、土地区画・土地用途・環境保護・消防及び安全生産等の各条件に適合していること。
実際情況
上海市の商務部門では申請審査時に賃貸側企業の生産経営状況や建屋の遊休状況を調べ、また必要に応じて、工商行政管理・不動産管理・環境保護・消防等の関連部門と共同して審査するとしています。
これは、中国において外資系生産型企業を新規設立する場合、プロジェクト申請を商務部門宛てに行う前に、環境面・労働安全面・衛生面等について、それぞれ関連部門の同意・認可を得ることと基本的に同様の考え方です。賃貸側と賃借側の産業の適否も審査され、例えば食品工場の敷地内に工業製品の生産工場が入居するようなケースは、その適否が関連部門に審査されます。
また、上海市の商務部門では賃貸側企業の所在する地元政府、或いは開発区の管理部門の同意書も求 めます。
危険化学品を取り扱う販売会社は、危険物経営許可証を取得しなければなりませんが、上海市では、その際に不動産権利証に不動産用途として商業、店舗又はオフィス用と記載されている建物に入居するよう指導を強めています。 |