当事者は審理手続の段階において裁判所に証拠を提出しなければなりません。
証拠とは、事案の真実状況を十分に証明できる客観的事実で、客観性·関連性·合法性を有し、実体法に規定された特定形式を具備し、法定手統に従って提供·収集·調査·詳細な審査をされたものです。
裁判所に提出しなければならない証拠には次のようなものがあります。
書面証拠
文字·符号·図形を用いて記載または表示された係争事件の事実を証明するに足る書面による資料です。書面証拠の提出は原本でなければなりません。原本の提出が確かに困難である場合は、複製品·写真·副本·抄本をもって代えることができます。外国語による書面証拠提出には、必ず中国語翻訳の添附文が必要です。
物的証拠
係争事件の真実状況を十分に証明できる一切の物証をいいます。物的証拠の提出は原物でなければなりません。原物の提出が確かに困難なときは、複製品を提出することができます。
視聴覚資料
錄音·映像·テープ等により保存された情報资料によって係争事件の事実を証明する証拠をいいます。人民法院はこれらの視聴覚資料に対しては、その真偽を弁別し、かつ、当該事件に関するその他の証拠と照合して、事実認定の根拠になれるか否かを審査し、確定しなければなりません。
証人の証言
証人が自ら知っている係争事件の事実について、人民法院で行った口頭または書面による陳述をいいます。事件の状況を知る職場·組織および個人は、いずれも法廷に出頭して証言を行う義務があります。関連する職場·組織の貴任者は所属者が証人として出廷して証言することを容認支持しなければなりません。証人の法廷への出頭が確かに不可能なときは、法院の許可を得て、書面をもって証言することができます。自らの意思を正確に表現することができない者は証言することはできません。
当事者の陳述
当事者が係争事件の事実について人民法院で行う陳述をいいます。法院は当該事件に関するその他の証拠と照合して、当事者の陳述が事実認定の根拠になるか否かを審査し、確定しなければなりません。当事者が陳述を拒否したときでも、法院が証拠を基に事件の事実認定を行うことには影響を及ぼしません。
鑑定結論
当事者および人民法院が提出した専門的な問題に対して、鑑定部門が専門的知識を用いて検討した上で科学的に判断した結論です。人民法院は専門的な問題について鑑定を必要と認めたときは、法定鑑定部門の鑑定に付さなければなりません。法定鑑定部門がない場合には、人民法院によって指定された鑑定部門が鑑定します。鑑定部門およびその指定鑑定人は必要とするときは当事者·証人を尋問することができます。鑑定部門、指定鑑定人は書面をもって鑑定結論を提出し、鑑定書には署名または押印しなければなりません。
実地検証記録
実地検証人が現場で検証する際に作成した記錄をいいます。証拠物または現場を実地検証する際には、実地検証人は人民法院の証明書類を提示し、かつ、当地の基層組織または当事者所属の組織から人員を派遺して参加させるよう要請しなければなりません。
当事者または当事者の成年の家族はこれに立ち会うベきですが、立会いを強く拒否したときでも、実地検証の進行に影響を及ぼしません。実地検証人は検証状況および結果に基づいて記錄を作成し、実地検証人·当事者および要請参加者は、実地検証記錄に署名または押印しなければなりません。
これらの諸証拠は、調査の上事実であることが証明されなければならず(客観性·関連性·合法性)、証明されてはじめて事実認定の根拠とすることができます。 |