安全生産許可証は特定の業種の生産を対象とし、工業産品生産許可は特定の製品の生産を対象とする許可証です。危険化学品生産企業は、両方の許可証が必要な場合もあります。
安全生産許可証の関連法令と許可対象
① 『安全生産許可証条例』の第2条: 国家は、鉱山企業・建築施行企業と危険化学品・花火爆竹・民用爆破機材生産企業に対して、安全生産許可制度を実施する。企業が安全生産許可を未取得の場合、生産活動に従事してはならない。
② 『危険化学品生産企業安全生産許可証実施弁法』
工業産品生産許可証
(1)関連法令と許可対象
① 『中華人民共和国工業産品生産許可証管理条例』(以下、第2条及び第3条):
国家は以下に列挙する重要工業製品を生産する企業に対して、生産許可制度を実施する。
(1) 直接健康に影響を及ぼす加工食品:乳製品・肉製品・飲料・米・麺類・食用油・酒類など
(2) 人体・財産に危険を及ぼす可能性のある製品:電気毛布、マット・圧力鍋・ガス湯沸し器など
(3) 金融や通信品質に影響を及ぼす製品:税収管理キャッシュレジスター・偽札鑑定機・衛星放送地 上中継設備・無線放送発信設備など
(4) 労働安全に関する製品:安全網・ヘルメット・建築材料など
(5) 生産や公共安全に影響を及ぼす製品:電力用鉄塔・橋梁の支柱・鉄道関係の工業製品・水中用金 属構造物・危険化学品とその包装及び容器類など
(6) 法律や行政法規により、『条例』に基づいて生産許可による管理が求められるその他製品
国家は生産許可制度を実行する工業製品リストは、国務院工業製品生産許可証主管部門が関連部門と制定し、公布する。
工業製品の品質安全が、①消費者の判断や企業自身の制御及び市場競争により保証できる場合、②認証認可制度により保証できる場合、生産許可制度を実施しない。
② 『中華人民共和国工業産品生産許可証管理条例実施弁法』
③ 『質検総局の生産許可証制度管理を実行する製品リスト公布に関する公告』 耐火材料・ベアリング鋼材・ポンプ・エアコンプレッサー・蓄電池・内燃機・電線ケーブル・農 薬・ゴム製品・特殊労働防護用品・セメント・危険化学品・危険化学品包装物、容器・化粧品など計62種類の製品に対して生産許可証制度による管理を実施。
(2)申請手順概略
① 地元所管の質量技術監督局に申請書を提出。質量技術監督局は受理または5営業日以内に資料の補 充・訂正を指示。
② その後、審査機関が申請書・資料審査、現場確認、サンプル検査検疫を行い、40営業日以内に全国 許可証弁公室に送付。
③ 全国許可証弁公室が受理後、60営業日以内に許可の可否を決定。
④ その後、10営業日以内に工業産品生産許可証を交付。
安全生産許可証と工業産品生産許可証の主な違い(以上のまとめ)
(1)許可対象
① 安全生産許可証:特定の業種の生産に対する許可証
② 工業産品生産許可証:特定の製品の生産に対する許可証
(2)主管部門
① 安全生産許可証:生産活動の種類に基づき、安全生産監督管理部門・炭鉱安全監察部門・建設・国 防科学技術工業部門等が主管。
② 工業産品生産許可証:質量技術監督局が主管。
安全生産許可証と工業産品生産許可証の取得の要否事例
(1)例えば、ある企業が甲苯(トルエン)の生産に従事する場合、これは危険化学品であるため、安全生産許可証を取得する必要となります。
(2)工業産品生産許可証の取得の要否については、最終製品が先述の『質検総局の生産許可証制度管理を実行する製品リスト公布に関する公告』に記載されているか否かを確認する必要があります。
(3)加えて、個々の製品の細則も確認する必要があります。国家質量監督検験検疫総局サイトご参照。工業産品生産許可証の取得の要否が不明の場合は、地元の質量技術監督局に確認されることをお勧め致します。 |