中国婚姻法は、離婚の際の夫妻共有財産分割に関する違法行為に対して、保障規定を追加規定しました。
離婚の際の保障
離婚の際、一方が夫妻共同財産を隠蔽·移転して提供せず、不法に売却·毀損し、または債務を偽造して他方の財産の侵害を企んだ場合には、夫妻共同財産の分割に当たっては、夫妻共同財産を隠蔽·移転·売却·毀損し、または債務を偽造した他方に対しては、少なくかまたは全く財産を与えないことができるとされています。
具体的に処理する時は、隠蔽·移転·売却·毀損された財産は、財産を隠蔽·移転·売却·毀損した一方が分割してもらった財産とし、他方が得るべき財産はその他の夫妻共同財産から拠出しなければならず、その拠出によっても足りない場合は、不足の差額部分は財産を隱蔽·移転·売却·毀損した方が、相手方に対して金銭に換算して補償しなければなりません。
離婚後の救済
離婚後に他方の右述行為による不当な財産分割の存在が発覚した場合には、人民法院に訴訟を提起し、夫妻共同財産の再分割を請求できることになりました。
かつては、夫は離婚する際に自己の全財産を妻に財産分割すると偽り、離婚後間もなく妻ヘの財産分割額より多額を投じた新居を建築して再婚するといった事例(いわゆる「高額離婚」)が見られても、救済方法がなく妻は泣き寝入りするほかありませんでした。
婚姻法における弱者保護制度の強化とともに、有責者に対する責任追及による無責者の保護を指向する追加·新設制度です。
人民法院は財産分割の違法行為に関する民事訴訟妨害行為に対しては、民事訴訟法の規定に照らして制裁を加えるとされています。
また、夫妻共同財産を違法に隠蔽·移転·売却·毀損した方の当事者に対して、情状の軽重に基づいて過料·拘留に処することができ、さらに、犯罪を構成する悪質な行為である場合には刑事責任をも追及できます。
離婚後提訴の時効
当事者が離婚後、他方の右述行為による不当な財産分割の存在に気づき、人民法院に夫妻共同財産の再分割請求の提訴ができる時效は二年とされ、当事者がそれを知った日の翌日から起算するものとされています。 |