人工生殖に関する法規定
1、人工生殖技術関係規定
中国の人工生殖技術に関する法規としては、計画生育法などが設けられています。
2、最高人民法院の関係司法解釈
中国の婚姻法は人工生殖子を想定しておらず、人工生殖子の法的地位などに関する直接的規定はありません。辛うじて最高人民法院の関係解釈があり、「夫婦関係存続期間中の夫婦双方同意による人工授精子は、夫婦の婚生子とみなして、婚姻法の親子関係規定を適用する」との回答が見られます。
この解釈によれば、
① 人工授精子の法的地位は婚生子の法的地位と同一であることを認めます。
② 人工授精子が夫婦双方の婚生子となる条件には、人工授精手術に対する夫婦双方の一致した同意意思の表示があることを必要とします。その意思表示方法は書面によることも口頭によることも、さらには実際的行動が意思の存在を推定させるものであってもよいとの見解が見られています。
代理母禁止規定
代理母出産子の法律的地位は極めて複雑で、代理母が既婚者である場合はさらにその夫との婚姻生活に影響を及ぼし、代理母出産子の身分確定は従来の民法的親子関係に抵触するとされます。関係立法のある国によっては代理母禁止規定を設け、違反者に刑罰を科しているとの説明も見られています。
中国ではいまだ人工生殖法そのものは制定されておらず代理母出産規定はありませんが、「人類補助生殖技術管理弁法」では、医療機関および医務従事者は、いかなる形式によっても代理母出産技術を使ってはならないと明文規定によって代理母出産技術の使用を全面的に禁止しています。 |