収養は重要な一つの民事法律行為で、収養関係成立後に法的効力を有するか否かは、その収養行為が「民法通則」規定の民事法律行為の要件および「養子法」規定の成立要件を満たしているか否かによります。「民法通則」及び「養子法」の規定に違反する養子縁組行為は法的効力をもたないと定められています。
民事法律行為の有効要件
① 行為者は相応の民事行為能力を有すること
② 意思表示が真実であること
③ 法律または社会公共利益に違反しないこと
収養(養子縁組)行為の有効性
① 収養成立時の収養人(養親)・送養人(養子に出す者)の民事行為能力
養子縁組を成立させる際、養親および送養人は完全な民事行為能力を有する者でなければなりません。収養・送養共に夫妻共同縁組の場合は、少なくとも夫妻の中の一人は完全な民事行為能力者であることが必須です。夫妻の一方が制限的民事行為能力者または民事行為無能力者である場合は、他方の完全行為能力者が代わって養子縁組行為を行うと解され、収養・送養を行う者には完全な法律行為能力を有することが成立の前提条件で、違反する場合は無効です。日本の養子法規定とは異なるところです。
② 意思表示が真実であること
収養当事者に養子縁組を行う意思表示があることが必要不可欠で、実質的成立要件の一つです。満10歳以上の養子の同意意思も同じです。
③ 法律または社会公共利益に反しないこと
養子縁組が法律および社会公共利益に反した場合は無効となります。 |