中国の訴訟審理は日本より相当速く、訴状の送達を受けてから答弁書提出までの期間が30日以内(渉外訴訟の場合)であったり、法廷調査と法廷弁論が1回の期日で済まされたり、期日と次の期日の間隔が一週間程度しか空かなかったりすることは珍しくありません。
したがって、中国では、日本の訴訟感覚をもって応訴すると、準備不足で敗訴となる可能性もありますので、第1回期日までに周到な準備をして対応することが重要です。
- 中国の裁判所は四級に分けられており、訴訟は二審終審制度が採用されています。
- 中国の民事事件の訴訟時効は通常2年間です。
- 財産保全制度、先行執行制度、証拠保全制度を利用することもできます。
裁判には、法律のバックグランドがあまりない裁判官の存在が以前よく指摘されました。また、地方保護主義、すなわち地元(企業)の利益を優先する判決が存在することなどの問題点もあります。これは、裁判官が各地方により採用されていることに起因しているようです。現在は裁判官の質の向上が図られ、また、地方保護主義も、大都市を中心に以前よりかなり改善されているようですが、訴訟戦略には、こういった点にも十分な配慮が必要です。 |