基本的には勤続年数を2008年1月1日の前と後の二つに分け、2008年以前の勤続年数には上海市の規定を適用し、2008年1月1日以降の勤続年数には『労働契約法』の規定を適用して経済補償金を計算します。
2007年12月31日以前の期間に対して
適用規定:『上海市労働契約条例』(2002年5月1日施行)
計算基数:労働契約解除または終止前直近12か月間の平均月給(手当・賞与・社会保険個人負担分等を含む総額の月額平均値)
基数の上限:無し
勤務年数の上限:
【Ⅰ.上限を12年とするケース】
- Ⅰ-①会社から労働契約解除を申し入れ、双方協議一致した場合。
- Ⅰ-②労働者が業務に堪えることができず、訓練又は仕事の調整を経てもなお業務に堪えることのできない場合。
【Ⅱ.上限を設けないケース】
- Ⅱ-①労働者が疾病を患い、又は業務外の理由により負傷した場合において、医療期間満了の後に元の業務に従事できず、雇用単位が別に手配する業務にも従事することができない場合。
- Ⅱ-②労働契約締結の際の客観的状況に重大な変化が生じ、元の労働契約を履行することができず、当事者の協議を経て労働契約の変更につき合意に達することができないとき。
- Ⅱ-③雇用単位が法に基づいて人員の削減を必要とする場合。
- Ⅱ-④雇用単位の破産、解散又は営業許可証が抹消された場合。
1年未満の勤務年数の扱い:
特例:無し
2008年1月1日以降の期間に対して
適用規定:『労働契約法』(2008年1月1日施行)
計算基数:労働契約解除または終止前直近12か月間の平均月給(手当・賞与・社会保険個人負担分等を含む総額の月額平均値)
基数の上限:前年度の社会平均月給の3倍
勤務年数の上限:
【Ⅰ.上限を12年とするケース】
【Ⅱ.上限を設けないケース】
1年未満の勤務年数の扱い:
- 半年未満=0.5か月分の月給
- 半年以上=1.0か月分の月給
特例:契約満了時、従業員が更新を望んでも、会社が不更新とする場合、2008年以降の勤続年数のみを補償対象とする。
経済補償金の計算方法の事例説明
下記の仮定条件の下、労働契約の解除又は終止のそれぞれのケースで、経済補償金額は以下の通りとなります。
- 労働契約締結日(入社年月日):1994年6月1日
- 労働契約の解除または終止日 :2012年12月31日
- 計算基数:15,000 元 (2012年12月31日の前12か月の、手当・賞与・社会保険個人負担分等を含む総額のひと月平均額)
- 直近の労働契約期間:2010年1月1日~2012年12月31日
経済補償金の計算は下表の通り
(上海市の場合:2011年社会平均月給4,331元×3=12,993 元)
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2007年12月31日以前の期間に対して
(勤続年数:13年7ヶ月) |
2008年1月1日以降の期間に対して
(勤続年数:5年0ヶ月) |
労働者の業務不適任による労働契約解除
(前文のⅠ-②) |
15,000×12=180,000元 |
(4,331×3)×5=64,965元 |
計244,965元 |
人員削減による労働契約解除(前文のⅡ-③) |
15,000×14=210,000元 |
(4,331×3)×5=64,965元 |
計274,965元 |
会社清算による労働契約終止(前文のⅡ-④) |
15,000×14=210,000元 |
(4,331×3)×5=64,965元 |
計274,965元 |
会社が労働契約解除を申し入れ、双方合意する解除
(前文のⅠ-①) |
15,000×12=180,000 元 |
(4,331×3)×5=64,965元 |
計244,965元 |
契約期限満了し、会社が不更新とする場合
(前文の特例参照) |
0元 |
(4,331×3)×5=64,965元 |
計64,965元 |
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