相続権とは、相続人が法規定に基づき被相続人の遺産を承継する権利を指します。相続法の規定により、被相続人と一定の親族関係を有する者または被相続人の遺言指定による相続人は、すべて相続権を有します(相続期待権)。この相続期待権は相続開始後に相続既得権となります。相続権は一種の財産権であり私有財産所有権の延長であり、私有財産権の保護は、必然的に相続権の保護を意味します。
中国の相続法は、日本と異なり、扶養と密接に関連づけられた制度です。
相続法の基本原則
- 公民個人の私用財産についての相続保障
- 相続権における男女平等
- 権利と義務の一致
- 限定相続
- 養老育幼、相互理解と互譲・和睦団結
相続法の特質
- 女性の相続法の保障
- 高齢者の老後生活の保障
- 遺産相続問題における当事者間の民主的な協議による解決の奨励
- 相続人の範囲を血縁・婚姻関係における権利義務に結合させ、相続分の割合を被相続人に対する扶養義務履行の多少に応じ処理する
日本の相続法との違い
日本の相続法では、上記の「基本原則」の3.権利と義務の一致、4.限定相続と、「特質」の2.高齢者の老後生活の保障、4.相続人の範囲を血縁・婚姻関係における権利義務に結合させ、相続分の割合を被相続人に対する扶養義務履行の多少に応じ処理する、という制度は採られていません。 |